CLPとは？貿易における役割と重要性
「CLP」とは、「Classification, Labelling and Packaging」の略であり、化学品の分類・表示・包装に関する欧州連合（EU）の規則を指します。貿易の現場では、特に化学製品や危険物の輸出入において、このCLP規則を遵守することが求められます。日本を含む世界各国で貿易が活発化する中、CLP規則の理解と対応は輸出入業者にとって非常に重要な課題です。
CLP規則の概要
CLP規則は、EU域内で流通する化学品の安全性を確保するために制定されました。具体的には、以下の３つの柱で構成されています。
分類（Classification）
化学品の危険性を正確に評価し、適切なカテゴリーに分類します。
表示（Labelling）
危険有害性に関する情報をパッケージやラベルに明確に記載し、取り扱い者や消費者に周知します。
包装（Packaging）
安全な取り扱い・輸送のために適切な包装基準を定めています。
これらの規定により、事故や健康被害の防止、環境保護を目的としています。
貿易におけるCLPの重要性
貿易取引においては、輸出先国の規制を理解し、適切に対応することが不可欠です。EU向けに化学製品を輸出する場合は、必ずCLP規則を遵守する必要があります。これには以下のような影響があります。
輸出製品のラベル表示の適合性
不適切なラベル表示は通関トラブルや製品の販売停止につながるリスクがあります。
安全データシート（SDS）の整備
CLP規則に準拠したSDSの提供は法的義務であり、輸出先の安全管理に直結します。
包装基準の順守
輸送中の漏洩や破損を防ぐため、規定に則った包装が必須です。
このように、CLP規則の理解と対応は、円滑な国際物流と法令遵守の観点から極めて重要です。
CLP対応の具体的なポイント
製品の危険性評価
化学物質ごとの危険性を正確に分類し、最新のCLP分類基準に基づいて見直すことが必要です。
ラベル・包装デザインの作成
規則に適合したラベル表示（危険シンボル、注意事項など）を作成し、製品に貼付します。
SDSの作成・更新
安全データシートは輸出先の言語で提供することが求められ、内容は定期的に見直されます。
関係者への教育・周知
取扱い担当者や輸送業者へのCLP規則の理解促進が重要です。
日本企業のCLP規則対応状況と課題
日本からEUへの輸出を行う企業の中には、CLP対応が不十分で通関トラブルや市場からのリコール事例も報告されています。特に中小企業では規制の複雑さやコスト面での負担が課題です。今後は専門家の活用や外部サポートを得ながら、規制遵守の体制整備を進めることが求められています。